初めてのカナダ

Day 11 - '97/07/22 (Tue)

  初めてのカナダ


目覚し時計で目覚め、出発の支度をする。窓を開けると、日がゆっくり昇るトロントの町が眩しかった。

昨夜は、その後、100ページずつある2種類の新聞に目を通した。どの新聞も、カナダや、大陸、香港、台湾のニュースを報道しており、どちらかというと、世界日報のほうが内容が多かったようだ。これらの新聞を読めば、この4極の動向を、政治から芸能ニュースまで、見逃すことがないだろう。広告に関しては、 不動産のほうが断然多く、移民などの法律サービス、インテリアなども多いようだ。

チェックアウトを済ませ、ボーイにタクシーを呼んでもらった。モントリオールの場合と同じように、通常のストリートで拾う車に比べればやはりきれいで大き目な車だった。ホテルを出ると、すぐ前にもタクシーは止まってあった。それでも、ボーイは、自分と関係のあるところを使い、恐らくバックマージンをもらっているだろう。

朝、まだ乗客が少ないせいか、カナディアン航空のカウンターにも、受け付けるスタッフが少なかった。並んでいるところでは、香港系の人と思われる三人組みが、スタッフと交渉している模様で、スタッフも広東語で親切にその人たちに説明し、延々と続いた。カナダでは、このように、窓口が親切に対応するところが多いが、後ろで待っている人にとっては、逆に苛々する気にもなる。窓口だけではないだろうが、多分、これが、東京や香港の早いペースに慣れているビジネスマンがいう、テンポが合わないというところの一つだと思う。


トロントの朝

飛行機のなかでは、半分以上の席が空席で割と空いた。トロント時間10時に出発して、東京時間23日の11時に着くというから、そとの現地時間はほとんど変わらないことになる。窓は早々に閉めるように指示されたが、そとでは日がずっと射したままだった。地球の自転の方向に逆らって飛ぶことになるが、太陽から見れば、飛行機がほとんど静止していて、その下に、地球がゆっくりと自 転していることになるだろう。

カナダでの11日間があっという間に過ぎっていった。何より、実際にこの地に踏み、ここの様子を見、ここに生活している人(主に中国人)と話し合うことができて、収穫が大きかった(研究においても、学会や大学訪問などで収穫が大きいと言っておこう)。好感と失望を混ざりながらも、来る前より、ここが一 層身近に感じたのが言うまでもないだろう。そして、どういう形にせよ、家族を一度ここに連れて、カナダってこんなところだ、と見せたい。

最後に、今回の出張に暖かくご理解、ご協力をいただいた小宮山社長、唐沢室長をはじめ、ATRの関係方々に御礼を申し上げるとともに、今回の出張が、自分の研究に役立てていくよう心がけたい。


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