初めてのカナダ

Day 1 - '97/07/12 (Sat)

  初めてのカナダ


雨のなか、成田に向かって出発する。いよいよ、始めての北米の旅が実現する。

昨日は、カナダ大使館で、昼過ぎから面接をし、やっとビザをもらうことができた。面接の人は、日本語がぺらぺらの日系人らしい女性で、日本語で話した内容を達者に英語ですらすらとメモとっていた。

品川駅で、成田エクスプレスの切符を購入した。満席だったので、立ち席になったが、乗車したら、空いている席があったので、座れた。後で、車掌にちゃんと510円の座席指定料を取られた。

出発の2時間半も前に成田空港に着いた。最近は、こんな早く空港に着くのは珍しいことだ。大雨でなかったら、多分もう少しのんびりしていたと思うが、評判のあまりよくない成田線が運休になると大変なことになるので、心配しながら急いだわけだ。

空港でカナダドルを少し購入した。レートが目茶苦茶悪い。買いと売りの差額を見ればすぐ分かる。でも、仕方がない。ある程度のカナダドルをポケットのなかに入れておかなければやはり心配だ。後で柴田さんから聞いた話だが、空港以外の普通銀行でなら、少しはレートが良くなるそうだ。

東京からトロント行きのカナディアン航空002便。搭乗手続きが早かったので、窓際の席を取ることができた。隣に座るのが、トロントのKenwoodに勤めるカナダ人で、日本への出張が二回目だという。人が混み合うことを除けば、東京は好感を持っているようだ。

夕方、日がゆっくりと沈み、雲がだんだん赤くなり、そして、暗くなっていった。カメラで雲の様子を取ろうとしたが、その時に初めてカメラの電池がなくなっていることに気付いた。ちょっと悔しかった。

飛行機は、東に向かって飛ぶ。太陽を背にして飛ぶので、夜が短かった。 東京時間7時ころ、外はすでに真っ暗になったが、10時には、すっかり朝になっていた。もっとも、夜が明けても日付が12日のまま。

西村京太郎の文庫を手にして、読みながら眠り、眠りながら読む。軽い文庫は旅になくてはならないものだが、今回は西村京太郎の本と、赤川次郎の本をそれぞれ2冊持参した。旅先で捨てて惜しくないよう、古本を買った。

朝になっても、窓は閉じるままのように指示された。ほとんどの人がまだ寝ているからだ。トロント時間午後1時過ぎ(東京時間はちょうど夜中すぎ)になって、客室に電気が入り、飲み物や食事のサービスが入った。機内放送で"Good Morning"と挨拶された時、一瞬、おかしいと思った。

その時、すでにカナダの上空に入っていた。カナダの陸地に入ってトロントまでさらに5時間ほどの飛行が要する。広大の土地が下に広がっている。果てしない緑のなかに、道が走る。きれいだった。

トロントに近づいてくると、五大湖地区が目に入る。湖が海のように無限に広がる。長さ数百キロの湖は、こうして実際見てみないと、その広さは想像をはるかに超える。日本の県一つを丸々湖に入ってしまうじゃないか、と思う。

やがてトロントが見えてきた。隣のカナダ人が、テレビ塔や高速道路のことを親切に紹介してくれた。遠くに見えるダウンタウンでは、高い建物があるようだが、空港周辺では、低い住宅の建物でいっぱいだった。

トロント空港の入国検査を通り、まず、カメラの電池を買うよう店を探した。やっと見つけることができた。11ドルに税金を加算されるので、ちょっと高かった。日本では確かに800円程度で済むはずだ。空港だからというのもあるだろう。Made in Japanだが、包装の紙は日本より少し雑だった。環境保護の意識がここでは強いからだろうか。それとも、日本人ほど包装に拘らないからだろう。

すぐ、モントリオールに乗り継ぐが、後半にトロントに戻ってくる時のホテルを予約していなかったので、ガイドブックを見て、適当にホテルに電話をして予約した。ちょっと高かったが、ダウンタウンの中心にあることもあって、そのまま予約した。予約の時、名前と、クレジットカードの番号だけを聞かれた。

モントリオールへの飛行機は、定員60数人の小さな飛行機だった。その分、飛ぶ便数が多いようだ。平日では30分ごと、休日でも1時間ごとに飛んでいるという。

モントリオール空港からタクシーでホテルに向かう。ホテルは、一週間以上を借りるような、日本でいうと、ウィークリーマンションみたいなもの。厨房までついていて(結局使うことはなかったが)、安くて結構気に入った。吉さんがホームページで探してくれた。

ホテルで、先に着いていた吉さんと柴田さんと合流し、一緒に町にでる。彼らは、日本とオーストラリアのパスポートを持っていることもあって、アメリカ経由で来ていた。

まずは会議の会場まで歩き、場所を確認する。そして、ダウンタウンを散策しながら、食事をするところを探した。私は、ピザゲッティというピザとスパゲッティの盛り合わせを頼んだ。初めて、カナダの食事の量を体験する。私は、何とか頑張って全部食べたが、吉さんと柴田さんはステーキの半分も残してしまった。

モントリオールは、フランス語圏にあり、ここの表示はフランス語が先で、英語が後に続くというパターンが多い。フランス語圏で、モントリオールはパリに次いで2番目大きい都市であり、また、町並みも似ているようで、「小さなパリ」と呼ばれたりするという。

ホテルに戻り、電子メールの接続を試してみたが、いずれの方法もだめだった。CompuServeを通してNifty-Serveに接続し、Telnetすることが最も現実的な方法のようだったが、CompuServeの接続方法をちゃんと控えてこなかったのが悔しかった。今回のカナダにいる間は、どうも諦めざるを得ないようだ。

Day 2へつづく


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