初めてのカナダ

Day 3 - '97/07/14 (Mon)

  初めてのカナダ


今日は、会議の通常sessionの初日だ。朝、のんびりしていたら、会場に遅れてしまった。運が悪いことに、午後予定されていたsessionの一つが午前に持ってこられ、興味をもっていた内容の一部を聴講することができなかった。

参加者の多さには驚く。休憩時のfree drinkをもらうのが戦争のようだ。十数のsessionが同時に行われているが、多いsessionでは、聴講者が優に100人を超える。多分、AP-Sに加え、URSI North America Radio Meetingと二つの会議の共催も影響しているだろう。予稿集を見ると、AP-Sの4冊に対し、URSIのほうは1冊だけだが、各論文のページ数も、AP-Sの4ページに対し、URSIがたったの1ページだけだから、同じ程度の論文数があるだろう。国際会議だと思って考えると参加者が多いと思ってしまうが、北米ではもともと「国際」という感覚があまりないだろう。年中、何らかの国際会議が行われているからだ。日本の電子情報通信学会の全国大会として考えれば、そんなもんか、と思ってしまう。

その辺のことは去っておき、昼食は、10分ほど歩いたChina Town(唐人街または中華街)に行ってきた。私は、$4.95で揚州炒飯を頼んだ。結構の量で、満足した。カナダではやはり量が多い。結構なことだ。それに、日本の中華街は主に日本人を商売の対象にして名物の味を売り物にしているのに対し、ここは、 現地に生活している中国系移民が最大の顧客層だと思う。この分、味もまともだし、また、価格がリーズナブルだろう。

中華街から会場に戻る途中、郵便局を寄った。切手を買うためだ。きれいな切手を2シート買った。切手にも、ちゃんと消費税が加算される。郵便局では、切手のほか、コインの記念セットなども置いてあった。

午後のsessionが終わって、ホテルに戻ろうとしたところ、東南大学OB/OGの何人かと会い、一緒に唐人街に行って夕食を取ることになった。

東南大学のマイクロ波関係では、国家重点実験室の設立ができたこともあって、多くの人材が出ており、北米でもこうやって多くの人と会うことができた。


モントリオールの中華街一角

カナダや米国にいる東南大学のOB/OGらも、近況やここでの生活を話し合った。カナダでは、Ph.D.学位を取得してから、初任給がC$5万といったところのようだ。これに対し、米国では、US$5万くらいとなり(現在のレートでは、US$1が 約C$1.35くらい)、特にカリフォーニア州ではUS$6万が相場だという。やはり、カナダにいる中国人留学生は、とりあえず国籍を取っておいて、卒業してからは米国に行って職につくことが一つの流れのようだ。

中華街を出た時、9時頃になっていた。小雨のなか、ゆっくり歩いてホテルに向かったが、途中で雨が急に強くなった。タクシーを呼ぼうとも思ったが、途中ではがきを買おうと、とりあえず雨のなかをぶらぶらした。時間も時間だけに、閉まる店も多かったが、それでも、何軒かの土産店や本屋が開いていて、寄ったりしてはがきも買うことができた。

カナダでは、昔は夜になると、店が早く閉まってしまうし、日曜日は開かないことが多かったそうだが、最近、不景気ということもあって、時間を延長する店が多くなったそうだ。特に、ここモントリオールでは、最近の独立運動で嫌気をさす人が多く、人口がだいぶ減り、また、企業が相次いで撤退するなど、経済的にかなり厳しくなっているという。不動産の価格は、一時に比べて半額になったという話も聞く。2-3年前のケベック州の独立に関する国民投票は小さい差で独立が否決されたものの、独立運動者が諦めていなく、暫くは波乱が続くようだ。

余談になるが、この期間中、Montrealでは、花火大会が行われるはずだ。こういう雨のなかでは、恐らくやらないだろう。案内のよれば、スペイン、フランス、オランダ、オーストリア、ドイツ、イタリア、カナダ、アメリカと多くの国が一日ずつ行うことになり、一種の競技になっているようだ。運良く、雨のない日に花火が打ち上げられ、一度見てみたい(と思いながら、今回の滞在中は見られませんでした)。

Day 4へつづく


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