初めてのカナダ

Day 6 - '97/07/17 (Thu)

  初めてのカナダ


朝、目を覚めたのが4時ころだった。この数日間、似たような感じですが、寝不足がいよいよ溜まって来ているのかも知れない。

午前中は、Sessionに出たが、午後は、Canada Space Agencyに見学することになっている。

お昼は、商店街の地下で取った。ここは、地下鉄にショッピングビルがつながって、その地下は、食堂街になっている。回りが店で真ん中は共通の座席というパターンで、最近、中国でも多く見かけるが、日本ではまだ少ない。

Canada Space Agencyには、2台のバスで行った。いずれ満席だったので、80人は超えているだろう。1時半に出発して、約40分で到着した。農作や樹木の広がる広い道で自分が車を走らせるのが、気持ちいいことだろう、と考えたりし た。

Canada Space Agencyでは、うわべのものしか見せてくれなかった。もしかしたら、それほどのものしかないのかも知れない。空間技術において、カナダはどうしても隣の大国、アメリカに隠されてしまうからだ。カナダは長く自分独自の衛星を開発していないようで、最近になってやっと気象衛星を打ち上げたと紹介している。また、アメリカが中心になって進めている宇宙ステーションの一部を担当している模様だが、それほど中心的な部分ではないようだ。それに、ここよりは、Agencyの主要な研究機関は、Ottawaにあるようだ。

バスのなかで、中国人の留学生とここの生活について色々話した。ここの学生 は、中国に一時帰国することが少なく、ネックになっているのがやはり金銭的な要素が大きいようだ。それに、大学院生の場合、教授(みんなボスと呼ぶ)からお金をもらっているので、帰国にあたって教授が簡単に許可してくれないこともあるとか。その変わりに、両親をカナダに来てもらう人が相対的に多いという。その場合、自分が経済的サポートできる証明が求められるという。短期的な滞在なら、だいたい半年か1年間になるそうで、永住する資格を取得するのは、そう簡単なことではないようだ。国内に身寄りがないとかの理由がないといけない。年寄りがカナダで永住することはここの負担になるということが容易に理解できる。また、カナダに来てやはり言葉の問題や、生活環境の変化などで色々な問題があるので、喜んでカナダに移住する人はそう多くないという。

カナダでは、博士課程は通常4年以上かかるそうだ。ボスがなかなか卒業させてくれないことが一番大きな原因のようだ。博士課程に入って一年目は授業があったり、研究環境に慣れるのに時間がかかってしまうので、どうしても、その後にいっぱい成果を出してもらいたくなるからだ。3年で卒業してしまうと、ボスにとって効率が悪いそうだ。3年半で卒業できるのがよほどすごい人、という感じだとうだ。

会場に戻ってくると、sessionがほとんど終わっていた。ホテルに戻ろうとしたところで、CRLにいる李さんが、ちょっとオールド・モントリオールあたりに散歩して来ないか、と誘ってくれたので、二人で港のあたりをゆっくり散策して来た。そこで、細かく切られる店が寄せ合う市場があって、見学しなが ら、小物を少し買ってきた。中国人が中国の絵や陶器などを販売しており、その価格は中国国内とそれほど変わらなく、日本での価格に比べれば確かに安い。それでも、経済状況のことで、商売は繁盛していないという。

Day 7へつづく


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